私の勤務先では従業員ごとにバラバラに休憩を取っています。このような休憩の取り方には問題はないのでしょうか。
休憩時間を確実に確保させるため、法律上、休憩は一斉付与、すなわち従業員全員に同時に休憩を与えなければならないものとされています。したがって、交代制にしたり、一人だけ休憩時間をずらしたりすることは、原則として認められません。
もっとも、それでは業務に差し障りがあるということも多いですし、かえって個別的に休憩を取る方が労働者にとってメリットがある場合もあります。
そこで、例外として、①労働者との労使協定を結んだ場合と、②適用が除外されている特定の業種に当たる場合には、休憩を一斉に付与しなくても良いとされています。
②の適用除外は、現在(平成30年6月時点)のところ、交通業、商業、金融・広告業、映画・演劇業、通信業、保健衛生業、接客・娯楽業、官公署の事業といった業種で認められています。
したがって、上記いずれかの業種であれば、休憩をずらす定めを設けることができますし、上記いずれの業種にも当たらない場合でも、労使協定を結べば、休憩をずらすことができるのです。
なお、「休憩」を取ったといえるためには、業務から完全に解放されていなければなりません。例えば、休憩時間中も顧客対応をしなければならないような場合には、そもそも「休憩」を取ったことにはならないと考えられます。