仕事中に怪我をしたのですが、会社は労災の申請をしてくれません。労災を認めてもらう方法はないのでしょうか。
労災による保険給付等を請求できるのは、被災労働者(またはその遺族)とされています。したがって、労働者が自ら労災の申請を行うことは可能です(実務上、事業主である会社が手続を代行することが多いにすぎません)。所定の申請書にご記入の上、最寄りの労働基準監督署にご提出ください。
労災の申請書には、「事業主証明」の欄があり、事業主に被災事実や賃金関係の証明をしてもらうことになっています。もっとも、事業主が証明を拒否した場合には、そのことを労働基準監督署に対して説明すれば、事業主の証明がなくても、申請は受け付けてもらえますので、ご安心ください。
なお、労災が発生した場合、会社にはそのことを労働基準監督署に報告する法的義務があります。労災の事実を認識しながら報告せず、労働者に「労災申請をするな」などと言って健康保険を利用させるような行為は、違法であると考えられ、労働基準監督署による指導や刑事罰の対象になる可能性があります。
したがって、会社から「労災申請するな」と言われたとしても、これに従う必要は全くありません。適切な補償を受けるため、早めに労災申請の手続を行うべきでしょう。