会社に未払い給料を請求したところ、「会社は破産したので給料は支払えない」と言われました。諦めるしかないのでしょうか。
未払賃金立替制度
会社が実際に破産などの法的手続を取っている場合や、事業活動が停止し事実上の倒産状態にある場合には、未払賃金立替制度という制度を利用することができます。
この制度は、企業倒産により賃金が支払われないまま退職した労働者に対して、未払賃金の一部を、政府が事業主に代わって立替払する制度です。
立替払いを受ける要件
立替払いを受けるには、以下の要件を満たしている必要があります。
(1)使用者が、
①1年以上事業活動を行っていたこと
②倒産したこと
(ア)法律上の倒産([1]破産、[2]特別清算、[3]会社整理、[4]民事再生、[5]会社更生の場合。
破産管財人等に倒産の事実等を証明してもらうことが必要)
(イ)事実上の倒産(中小企業について、事業活動が停止し、再開する見込みがなく、
賃金支払能力がない場合。労働基準監督署長の認定が必要)
(2)労働者が、倒産について裁判所への申立て等(法律上の倒産の場合)又は
労働基準監督署への認定申請(事実上の倒産の場合)が行われた日の6か月前の日から
2年の間に退職した者であること 以上の要件を満たしている場合には、独立行政法人
「労働者健康福祉機構」に対し、立替払の請求を行うことができます。
立替払いの対象となる賃金
立替払いの対象となる未払賃金は、労働者が退職した日の6カ月前から立替払請求日の前日までに支払期日が到来している定期賃金と退職手当のうち、未払となっているものです。
いわゆるボーナスは立替払の対象とはなりません。
また、未払賃金の総額が2万円未満の場合も対象とはなりません。
立替払いの金額
立替払いをする額は、未払賃金の額の8割です。
ただし、退職時の年齢に応じて上限が設けられています。