志望企業から内定をもらうことができました。取り消されることはあるのでしょうか。
「採用内定」とは、将来のある時期から働くことが予定された労働契約が成立した状態のことを指します。
新規卒業予定者の場合、一般に、企業から正式な採用内定通知を受け取った時点で、採用内定関係に入った、すなわち労働契約が成立したものとされますので、内定取消事由に当たらない限り、一方的に内定を取り消される心配はありません(万が一取り消された場合には、労働契約上の地位の確認や損害賠償を求める余地があります)。
もっとも、単に企業から「採用です」と言われただけの、いわゆる「内々定」の状態では、直ちに採用内定関係に入ったとは認められません。
採用が当然の前提のような言葉や対応を企業側が取ったか、応募者が他の企業に就職する可能性が事実上なくなったといえるか、企業が実際に内定通知を出さないケースがどれくらいあるのかといった観点から、企業と応募者との関係を拘束する労働契約関係が成立したかどうかについて、個別具体的に判断されることになります。
このように、採用内定については、複雑な法的解釈の問題を含みますので、何か困った問題が生じた際には、一度、弁護士にご相談することをお勧めいたします。