賃金について今後、現金手渡しでもらいたいのですが、可能でしょうか。
賃金の支払いについては、法律上「通貨払いの原則」が定められており、「通貨」すなわち現金で支払うことが原則となっています。
もっとも、①労働協約を締結した場合、②労働者の同意がある場合などには、労働者の指定する口座に振込する方法による賃金の支払いも適法とされています。
したがって、労働協約を締結した場合、このような労働協約が適用される労働者については、会社は口座振り込みによって賃金を支払えば足り、労働者側から当然に賃金の支払い方法の変更を求めることはできません。
また、労働協約を締結していない場合でも、通常は、就業規則などにより、労働者の同意があるものとされています。そのような場合には、使用者が口座振込の方法により賃金を支払うことも許容されます。
そのため、当然には、会社に対して賃金の支払方法の変更を請求することはできません。ただし、元々は通貨払いが原則です。会社と協議を行い、会社の同意を得られれば、現金手渡しによる支払いを認めてもらうことは可能でしょう。