期間の定めのある契約社員として、契約更新を繰り返して勤務してきた会社から、売上が減って経営が厳しいので契約を打ち切ると言われました。

 期間満了による打ち切り(雇止め)なのか、期間途中の打ち切り(解雇)なのかによって、考え方が変わってきます。

1 期間満了による打ち切り(雇止め)

 有期労働契約の契約期間満了時に、使用者が次の契約の更新を拒絶して雇用を打ち切るケース(「雇止め」とよばれています)では、労働契約法19条により、以下の①~③の各条件を満たす場合には、雇止めは許されないと定めています(「7年前に1年契約の社員として入社し、毎年契約を更新してきましたが、次年度の契約は更新しないと言われました。退職するしかないのでしょうか。」も併せてご参照ください)。


① 期間の定めのある労働契約が反復更新されていて、期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態で存在している場合や、労働者において期間満了後も雇用関係が継続されるものと期待することに合理性が認められる場合

② 労働者が期間満了後も会社で働きたいという意思を表示していること

③ 使用者による雇止めが客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき


 ①については、更新の回数、雇用の通算期間、契約更新の手続・実態(更新手続が厳格か、形式的なものにすぎないか)、雇用継続の期待を抱かせる使用者の言動の有無、労働者の雇用継続に対する期待の相当性(同様の地位にある労働者の従来の雇止めの状況など)といった事情を総合考慮して判断されます。使用者の対応に不満がある場合には、専門家への相談をお勧めいたします。

 また、5年を超えて労働契約を反復更新している場合には、期間満了前に無期転換の申し込みをすることにより、雇止めを回避する方法もあります(労働契約法18条)。

 ③については、整理解雇の考え方が準用されます(詳しくは、「正社員として勤務してきた会社から、売上が減って経営が厳しいので解雇すると言われました。」をご参照ください。

2 期間途中の打ち切り(解雇)

 契約期間途中で契約を打ち切られる場合は、雇止めではなく、解雇となります。

 この場合の解雇は、約束した契約期間の途中で契約を打ち切るわけですから、より厳格に解雇が制限されており、「やむを得ない事情」が必要とされています。契約期間満了を待つことなく直ちに雇用を打ち切らなければならないような特別な経営上の理由が認められない限り、解雇は無効とされる可能性があると考えられます。

 

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