不当解雇・退職勧奨

このような状況にお悩みの方、

弁護士にご相談ください。

これは法律問題です。

弁護士がサポートできることがあるかもしれません。

はじめに

 会社が労働者を一方的にクビにする(=労働契約を終了させる)ことを、「解雇」と呼びます。
 「解雇」されると、

  • 仕事がなくなる
  • 給与(収入)がなくなる
  • 子供の学費は支払えるか
  • 住宅ローンの支払いは大丈夫か
  • 今後の生活はどうなってしまうのか など

 重大な問題に直面し、生活面で大きな不安を抱えることになります。

 

しかし、 この「解雇」の中には、理不尽で「不当」なものもあると思います。

「不当な解雇」の場合、法的に、解雇が「無効」となる可能性があります。

解雇が無効となれば、法的に元の状態に戻ります。

仕事はなくなりません

給与(収入)はなくなりません

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⑴ どのような場合に「不当解雇」になるのか

 日本の法制度上、「解雇」は、簡単にはできない(有効とはならない)ものとされています。
 使用者(会社)は、労働者を自由に解雇することはできず、正当な理由のない解雇は無効となります。
 

①一定の場合には解雇が法令で制限されており、これに違反すると無効になります。
②解雇に「客観的に合理的な理由」がなく「社会通念上相当」といえない場合は、解雇権濫用により無効になります。

また、契約社員など期間の定めのある労働者の場合
③「やむを得ない事由」がなければ期間の途中の解雇は無効になります。

※契約期間満了により契約を打ち切る「雇止め」も、会社が自由にできるものではなく、一定の場合には無効となります。

 

【具体例】以下のようなケースは法的に「不当解雇」として、「無効」となる可能性が高いです

 ”社長に意見を言ったら、「お前は気に食わないからクビだ」と言われて解雇された”
 ”怪我をして何日か休ませてほしいと言ったら、「うちには休ませるような余裕はないからクビだ」と言われて解雇された”
 ”事前に何の説明もなく、「業績があまりよくないから」と言われて自分だけ解雇された”

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⑵ 不当解雇の場合、何を求めることができるのか

ⅰ 地位

 ⇒ 従業員であることの確認(労働契約上の権利を有する地位の確認)を求める

 雇用関係は終了していないので、自分が労働者(従業員)であることを裁判所に確認してもらいます。

ⅱ 賃金

 ⇒ 会社に対して、解雇以降の未払いとなっている賃金の支払いを求める

 解雇されて以降の賃金については、その間就労していなかったとしても、通常は無効な解雇を行った会社に「責めに帰すべき事由」があるためです。

ⅲ 慰謝料

 ⇒ 慰謝料を請求する

 ※ 慰謝料請求が認められるのは、解雇の違法性が著しい場合に限られており、解雇が無効であれば直ちに慰謝料請求が認められるというわけではありません。

ⅳ 金銭的解決

 解雇には納得できないが、不誠実な対応をする会社にはもう戻りたくない、という方もいらっしゃると思います。この場合には、退職を前提に、会社から金銭を支払ってもらう形での解決を図ることも考えられます。

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⑶ 解雇された場合、どうすればいいの?

 不当解雇に対しては、様々な争い方が考えられます。
 もっとも、いざ会社を解雇されてしまった場合に、どのように対処すればよいのか、分からない方が大半だと思います。
 そこで、以下では、解雇を言い渡されたときの対処の仕方、考えるべきことなどについてご紹介いたします。

 ※実際にご自身で対処するとなると、不明な点や対応できない点などが出てくると思います。対処の仕方によって、結果が変わることもあります。なるべくお早めに弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

Ⅰ 解雇を言い渡されたときにすべきこと

ⅰ  「クビ」と言われたが、法的に「解雇」なのか、を確認する

 会社から「クビ」を言い渡されたとき、

 法的な「解雇」(一方的な労働契約の解約)なのか、法的に解雇ではなく「退職勧奨(※)」なのかを確認してください。

※ 退職勧奨とは?

労働者に対して自主的に会社を辞めるように促すことをいいます。

 実務上、この2つを会社が明確に区別していない場合も多いのです。

 労働者の承諾を前提とする「退職勧奨」にすぎない場合には、労働者がこれに応じる必要はありません(実質的に退職を強要するような態様で行われた場合、違法となることもあります)。

One point advice

会社の態度がはっきりしない場合にはどうするか?

 解雇なのか否かを明確にするため、会社に対して「解雇通知書」(労働者を解雇することを記載した書面)の交付を求めましょう。

ⅱ 理由を確認する

 次に、クビが「解雇」の場合、解雇の理由を確認しましょう。

 会社の主張する解雇理由に「客観的合理性」と「社会的相当性」が認められるかにより無効になるかが判断されます。

 したがって、解雇を争うべきか否かの見通しをつけ、具体的な対処方法を検討するために、会社が何を解雇理由にしているかを明らかにさせることが非常に重要です。

One point advice

 解雇理由は、後になって会社に別の理由を作り上げられないように、書面で明らかにさせるべきです。会社には、法律上、解雇された労働者から請求された場合、詳細な解雇理由を記載した証明書(「解雇理由証明書」)を交付する義務があります。会社がこれを拒否することは許されません。

 もしも会社が書面の交付を拒否する場合はどうすれば?

 労働基準監督署に申告して是正指導を促すことも考えられます。

 解雇時に会社から受け取るべき資料
 ① 解雇通知書  ② 解雇理由証明書

 

ⅲ 解雇を争う意思を示す

 解雇の効力を争う場合には、勇気をもって、

・解雇は無効であり、自分は会社を退職するつもりはないこと、

・引き続き働く意思があること

をはっきりと伝えておくべきです。口頭で伝える必要はありません。書面で通知するのがよいでしょう。

 One point advice

 なぜ解雇を争う意思を明確にするのでしょうか?

 会社から、労働者は解雇を受け入れていた、退職に合意していた、解雇はしておらず労働者が無断欠勤しただけである、などと主張してくる可能性があるからです。

 (また、不当な解雇を受けて働くことができなかった期間の賃金を請求するためには、解雇を言い渡された後もその会社で働くつもりがあったことが必要とされています。)

 会社に意思を伝える方法

 後になって言った言わないの争いにならないように、記録が残る内容証明郵便などで連絡することが望ましいでしょう。

 解雇を言い渡された会社に対して、ご自身で意思を伝えるのは難しいという方は、会社との交渉を弁護士に依頼することをご検討ください。

ⅳ 解雇を争う証拠を確保する

 解雇の効力を争う場合には、早めの段階から、解雇の理由となった事実に関する「証拠」などを集めておくことが重要です。

※ 証拠とは?

大まかにいえば、あなたの言い分を裏付ける客観的な資料のことです。何が証拠になるのかを考えるよりは、とにかく書面やデータ、写真などいろいろな媒体を確保することが肝要です。裁判では資料をもとに審理が進められていきますので、早期に資料の収集確保が重要になるのです。

客観的な資料が確保できない場合にはどうすれば?

 出来事をメモに残しましょう。

 解雇を言い渡されるまでの経緯や解雇を言い渡された時の状況などについて、できる限りメモを残しておくと、後に解雇の不当性を主張する際に役立つことがあります。

ⅴ 弁護士に相談する

 有効な解雇なのか、それとも不当な解雇に当たるのかは法律問題です。

 法律問題の専門家である弁護士に相談しましょう。ご自身での安易な解釈、結論付けは危険です。

 解雇を受け入れるのか、不当解雇を主張して解雇の効力を争うのかによって、その後の対処方法も変わってきます。独自の判断で、法的に間違った対処をすることによって、後に裁判等で不利になってしまう可能性もあります。

弁護士は何をしてくれる?何ができる?

 あなたが置かれた状況を整理した上で、解雇の有効性に関する見通しや、今後の対処方法などについて、専門家としてアドバイスを行うことができます。また、ご依頼をいただいた場合には、あなたの代理人として会社と直接交渉し、訴訟や労働審判の代理人として活動することができます。

 会社から解雇を言い渡されたが、納得できない、どのように対処すればよいのか分からないという方は、是非お早めに弁護士に相談することをお勧めいたします。

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Ⅱ(注意)解雇を言い渡されたときにやってはいけないこと

ⅰ 解雇を承諾する書面にサインをしない

 会社が労働者を解雇する際に、「この解雇には異議を述べません」などと記載された書面にサインをさせる場合があります。

 サインすると?

 ・ 解雇に同意したと受け取られる可能性があります
 ・ 裁判で不利な材料とされる可能性があります

 このような書面へのサインは控えた方が無難です。

しつこくサインを求められた場合はどうすれば?

 「家族と相談したいので持ち帰らせてください」などと言って、その場ではサインせずに持ち帰るようにしましょう。

ⅱ 退職を前提とする行動を取らない

 ① 解雇予告手当は請求すべきではない

 会社からの解雇予告手当の支払いは、法的に解雇されたことが前提となります。「解雇予告手当を請求した」ことが、「解雇を承諾した」と受け取られる可能性があります。

※ 解雇予告手当とは?

会社が労働者を解雇する場合には、解雇日の30日前に解雇の予告を行わなければならず、その予告を行わない場合には、30日分の平均賃金を支払うか、予告を行う日数を短縮し、その日数に応じた平均賃金を支払わなければなりません。この解雇の予告の際に労働者に支払われるお金のことを「解雇予告手当」といいます。

(逆に、解雇を受け入れる場合には、解雇予告手当を適正に支払うよう求めていくことになります)。

 ② 退職金は請求すべきではない

 同じ理由で、退職金を請求したり、受け取った退職金を使うことも、退職(=解雇されたこと)を前提とした行動ですので、するべきではありません。

 会社から一方的に解雇予告手当や退職金が振り込まれた場合はどうすれば?

 これらの金銭が振り込まれたとしても解雇の効力を争う「権利」がなくなることはありません。ただし、振り込まれた金額を返還・供託するか、一切手を付けないで保管しておき、以降発生する賃金に充当する旨を通知しておくべきでしょう。

*離職票の受領や健康保険証の返却は基本的に問題はありません

 他方、離職票の受領や健康保険証の返却は、基本的には問題ありません。離職票は、失業保険を受給するために必要ですし、健康保険は会社側が手続をすれば一方的に資格を喪失しますので、返却を拒む実益もありません(すぐに切り替えの手続をすべきです)。

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⑷ 実際に解雇を争う場合の方法

Ⅰ 会社と交渉する

 会社に対して、解雇が無効であることを主張する内容の書面を送付する(内容証明郵便がよいでしょう)

 解雇の撤回・復職や、不当解雇によって支払われなかった賃金の支払いなどを交渉・話し合いで求めることになります。

Ⅱ 裁判手続

 会社との交渉がまとまらない場合には、裁判所に、訴訟や仮処分、労働審判等の裁判手続を申し立てることを検討すべきです。

 裁判所を利用する手続に特徴があり、メリット・デメリットも様々ですので、具体的な手続選択に関しては、弁護士の助力を得ることをお勧めいたします。

解雇を争っている間の生活はどうすれば?

 会社から解雇されてしまった場合には、一旦は、会社で働いて賃金を受け取ることはできなくなります。

※解雇が無効となる場合でも、無効と確定するためには、タイムラグが生じてしまいます。そのため、その間のつなぎの生活費が必要になります。何らかの方法で金銭を得る必要があります。

 失業保険の仮給付

 解雇の有効性を争いつつ、失業保険の給付を受けることができる「仮給付」という手続を利用して、当面の生活を維持するということが考えられます。失業給付を受給するためには、会社から離職票などの書面をきちんと出してもらうことが重要です。

 アルバイトなど他の会社などで働くことも考えられます。休業中にアルバイトなどにより得た賃金は、会社からの未払賃金の支払いの際に、平均賃金の6割を超える部分が差し引かれることになりますが、他社で働いたことによって会社から処分を受けることはありません。

※ 注意

他社に正社員として就職したような場合には、その時点で解雇された会社を退職する意思を固めたものとされて、地位確認や他社就職後の未払賃金の請求は認められなくなる可能性があります。

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⑸ 弁護士ができること(解雇を言い渡されたら、すぐにご相談を) 

 このように、会社から解雇を言い渡されたからといって、すぐに諦める必要はありません。解雇の経緯や解雇理由によっては、不当な解雇として争うことができる可能性があります。

 弁護士法人江原総合法律事務所では、解雇に関する問題について、多くのご相談・ご依頼をいただいております。初回相談料は30分まで無料です。

 「こんな解雇はおかしい!」そう思った方は、是非お早めにご連絡ください。

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⑹ 相談から解決までの流れ

 問合せ  電話、メール、LINE@からご予約をお願いします。
 相談の概要をお伺いし、相談日時を決めます。
 相談  初回30分無料 弁護士が直接相談に応じます。
 守秘義務がありますので安心してご相談ください。
 ご契約  費用や業務内容は、予めお客様へ丁寧に説明いたします。
 全てご納得いただいた上でご契約となります。
 交渉  相手方会社と交渉は全て弁護士が行います。交渉のみでの解決が難しい場合は、労働審判や裁判へ移行する場合もございます。経過のご報告は適宜お客様へご連絡いたします。 
 解決  お客様にとってよりよい解決を目指します。

相談にお越しいただく際には、以下の資料があるとスムーズです。

 ・ 雇用契約の内容のわかる労働契約書や就業規則、給与明細書(原本でもコピーでも可)

 ・ 使用者からの解雇通知書や解雇理由書などの資料

※勤務先会社によって、存在しないこともあります。上記のような書面や資料がない場合でもご相談は可能です。

相談ではどのような話をするのか?

 ご相談では、弁護士から、解雇理由は何か、解雇理由が事実と合致しているかなどの詳しい事情をうかがい、解雇の有効性について、見通しを助言させていただきます。

 その上で、解雇について争うのかどうかを考え、もし争うという方針になった場合には、どのような手続を用いて、どのような方法で争っていくべきかについて、助言をさせていただきます。

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⑺ 解決事例

 早期に 解決金200万円 を回収した事例
 
 Aさんは、正社員として長年会社に勤務していましたが、職務命令違反・勤務態度不良などを理由として、突然、会社から解雇の通告を受けました。 (続きを読む

 

 解雇無効と未払残業代請求 賃金1年超分 を回収した事例
 
 Bさんは、会社から突然解雇の通告を受けました。実際に相談で話を伺ったところ、解雇無効のほかに未払い残業代を主張できると考えられました。 (続きを読む

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最後に(弁護士から一言)

ご相談いただく方の中には、「周囲との人間関係が悪化するのが怖い」「不当解雇といえるような決定的な証拠が手元にない」などと心配されている方もいらっしゃいます。

しかし、解雇されるということは、働く場所・収入源を突然失ってしまうという重大な意味を持つのですから、まずはご自身の権利をどのように確保していくかということを考えるべきでしょう。

また、解雇を争われた場合、使用者側としても解雇の正当性を立証する必要があり、かつその立証のハードルは決して低くはありません。

したがって、必要以上に心配したり、あきらめたりする必要はないのです。

解雇が無効とされた場合、会社の従業員としての地位があることが認められ、解雇後の賃金の支払いなども請求することができます。

解雇トラブルに巻き込まれてしまったら、まずはお気軽に当事務所までご相談ください。

 

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