労災被害について、総額約3000万円(労災・被告会社支払分含む)を獲得することに成功した事例
- 事故
- 労災
- 損害賠償
- 訴訟
事案の概要
依頼者は、某県内にある会社(メーカー)の従業員として勤務していた男性です。ある日、いつものように作業に従事していたところ、約1トンの重量を有する器具の下敷きになる事故(以下「本件事故」といいます。)の被害により、胸椎破裂骨折などの重症を負いました。
本件事故の後、治療のため入通院を繰り返しましたが、最終的に会社を辞め、労災申請を一部行った段階で、当事務所にご相談に来られました。
解決に至るまで
当事務所弁護士が相談で伺ったところによると、本件事故は、労災認定されていたため労災非該当とされる心配はありませんでしたが、本件事故の後遺症がはっきりとしていなかったため、ご相談の時点では、労災の等級が何級になるか、会社の安全配慮義務違反を問えるか、という点が問題でした。
そこで、当事務所弁護士がご依頼をうけ、まず、怪我の具合、後遺症の状態にあった適正な労災等級を獲得することを第一目標にしました。
労災の等級認定の判断においては、主治医の診断書が重要になります(このことは交通事故においても共通しております)。確かに、労災の場合は、労基署側においても後遺障害等級の審査や測定を適切に行い、それに基づき判断されますが、それでも重要なのは、実際の被災者を一番診察していた主治医の診断書です。
この点について当事務所では数多くの実績を有しておりますので、依頼者の症状固定(労災では「治ゆ」といいます)のタイミングを待った上で、病院に同行し、適切な後遺障害等級が認定されるようサポートを行いました。主治医とも面談を行い、後遺障害診断書の作成につき法的観点からアドバイスを行いました。
その結果、当事務所の想定していたとおり後遺障害8級の認定を受けることに成功しました。
適切な等級を獲得することができましたので、次の目標、労災民訴により使用者の損害賠償責任を問えるか、の検討に入りました。
当事務所弁護士が、複数回打合せを行い、事実関係や証拠関係を確認していき、最終的に使用者であった会社の安全配慮義務違反を問うことが可能と判断し、実際に労災民訴(損害賠償請求)を提起しました。
労災が認められたからといって多くの場合それで終了にはなりません。なぜなら、労災では一定の給付が認められますが、慰謝料などは補償されないため、労災事故について、使用者である会社に責任があるのであれば、慰謝料などは会社に対し追及しなければならないのです。
なお、労災が認められることと、会社に安全配慮義務違反が認められることはイコールではありません。労災の中で使用者に落ち度がある場合にこの責任が認められるのです。
本件では、十分な準備を行った上で、使用者であった会社を被告に労災民訴を提起し、裁判所において、複数回、主張と反論を戦わせました。その結果、本件事故については、会社に安全配慮義務違反があったことを前提として、依頼者も納得の上、総額2000万円を支払うという内容で裁判上の和解となりました。労災からの支給などを合計すると、総額約3000万円を確保することができたことになります。
解決のポイント
・労働者の立場からの労災案件及びそれに付随する労災民訴では、証拠の確保が難しいなど労働分野に精通した弁護士の所属する法律事務所にご相談・ご依頼することが極めて重要です。
・当事務所では、6名の弁護士がこれまでの経験で培ったノウハウを共有し、相互に連携して事案処理を行っております。労災被害でお困りの方はお気軽にご相談ください。