定年直前に言い渡された解雇の無効や未払残業代を主張し、解決金800万円を取得した事例

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事案の概要

 相談者は、相手会社に長年勤務してきましたが、60歳定年を目前として、会社の業務縮小等を理由として解雇されました。いわゆる整理解雇です。
 会社の就業規則には定年後再雇用の規定があり、相談者も65歳までの再雇用を希望していましたが、会社からは、再雇用は考えていないので定年退職に応じるようにと言われ、それを相談者が拒否したところ解雇されたという経緯でした。

解決に至るまで

 当事務所は、相談者から依頼を受け、解雇の無効を主張して会社と交渉しましたが、会社からは、数十万円程度の解決金の提示しかありませんでした。
 そこで、労働契約上の地位確認や未払賃金の支払いを求める訴訟を提起しました。始業時刻前の朝礼参加や準備行為に対する残業代が支払われていないことも明らかとなったため、未払残業代についての請求も行いました。
 裁判所からは、早い段階で、解雇は無効であるという心証が示されました。他方で、定年後再雇用については、具体的な労働条件についての定めがなかったため、再雇用契約の成立まで認められるかについては微妙な情勢でした。
 相談者は、復職よりも金銭解決を希望していたため、退職を前提に、未払残業代を含めた解決金の金額について協議が重ねられました。当方は、再雇用契約の成立が認められるべきことや、仮に認められないとしても会社が再雇用をしないことは不法行為に当たり損害賠償が認められるべきこと、相談者は高齢で障害もあるため再就職は困難であり不利益が大きいこと等を主張し、最終的には、相談者が納得できる条件で和解を成立させることができました。

解決のポイント

 当事務所は、整理解雇の有効性や定年後再雇用の成否、始業時刻前の早出残業に対する残業代請求の可否といった労働法上の論点について、最新の学説や裁判例を踏まえた主張立証を展開しました。そのことが、裁判所や相手会社の説得につながり、交渉段階における会社提示額の約30倍の金額による解決に導くことができたと考えております。

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