使用者の指示によって労働時間を減らされ賃金が減額したケースで、減らされた時間分に対応する賃金の支払いを認めさせた事例
- 賃金減額
事案の概要
相談者は、勤務先に時給制で勤務しており、雇用契約書上、週5日勤務、勤務時間は1日8時間とされていました。しかし、ある時期より、仕事がない日は早く上がるよう会社から指示され、労働時間が減らされた分、賃金も大幅に減少してしまいました。
そこで、当事務所が依頼を受け、減らされた労働時間に対応する賃金の支払い等を会社に請求しました。
解決に至るまで
会社側は、相談者の労働時間の減少は、業務上のやむを得ない事情によるものであり、相談者も同意していたと主張しました。
これに対し、当方は、労働契約により定められた労働時間を、会社都合で一方的に削減することは許されない、やむを得ない事情も認められないと反論し、会社側と交渉を重ねました。
交渉の結果、減らされた時間分の賃金の支払いについては当方の主張をほぼ認める内容で和解が成立しました。
解決のポイント
使用者の都合で労働時間が減らされたとしても、実際に働いていないのだから、賃金がその分減っても仕方がないと思われる方が多いです。しかし、使用者の責めに帰すべき事由により所定の労働時間働けなかった場合、使用者は減らされた分の賃金を支払う義務を負う可能性があります(民法536条2項)。
本件では、この点を丁寧に主張立証したことで、減らされた時間分の賃金を会社に支払わせることに成功しました。