毎日長時間の残業していますが、基本給のほかに、特別手当として基本給の10%分が支給されているだけです。仕方がないのでしょうか。

 法律上、会社は労働者が残業をしたらその時間分の残業代(割増賃金)を支払わなければならないと定められています。
 したがって、このような法の制度の趣旨に反するような残業代の支払い方は許されません。


 残業代の支払いに代えて、一定額の手当を支払うことも、全く許されないわけではありませんが、過去の裁判例等を見ても、

①定額手当が残業代としての性格を有しており、
②残業代部分とそれ以外の賃金部分とが明確に区別されている、

などの要件を充たした場合にのみ、定額手当の支払いをもって残業代の代わりとすることが認められています。


 定額手当の支払いが残業代として認められなかった場合には、会社は、既に支払った賃金に加えて、定額手当分を基本給に加えた金額を基準として、実際の労働時間に即して計算した残業代を支払わなければなりません。

 
 労働者側としては、就業規則の定め、給与明細の記載、実際の運用などから、会社の定額手当の支払いが残業代として認められないことを、立証していくことになるでしょう。

 また、仮に会社の定額手当の支払いが残業代として認められるとしても、定額手当が法所定の残業代の金額を下回るときには、会社は、その差額分を別途支払う必要があります。

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